旅日記

若き日の旅の思い出

那須に住む番外編

サンタマリアの雨

サンタマリアの雨

フィリピンのルソン島の北部のサンタマリアという地に地質調査のため出張した。
目的は、その地域に賦存する「褐炭」(注:低品質の”石炭”。しかし燃料としては利用が可能)の調査を系列の商社から依頼され、鉱山技師の上司に連れられて現地に赴いた。
マニラにある商社の支店を基点に、商社担当者の案内で現地へ。
車で移動するので、辺鄙な場所とは思わなかった。そもそも平坦な草原、農地がずうっと続いてており、空も開けているので、明るい。しかし具に観察していると、道路は未舗装。市街地から、農村に行くと、木と竹と葦で作られた住居には電気が来ていない。それでも屋根の上にはテレビのアンテナがある。所謂「八木アンテナ」の形である。良く観察すると、木の枝を組み合わせて作ったものである。住民のユーモアに笑ってしまった。

現地の小屋の中で

 結構高い樹の枝の上をニワトリが歩いている。同じ放し飼いでも、この地のニワトリは3次元的に上にも飛ぶようだ。

更に奥の部落に行ったら、老齢の男性が近づいてきて、片言の日本語で話しかけてくる。聞き慣れると、こちらとも言葉のやり取りができる。その背後に集まってきた住民を振り返って、「なっ!オレの日本語、通じるだろう」というように、自慢げに話す。
 かつて、太平洋戦争当時、旧日本軍がこの地で駐在していたとのこと。このおじいさんは、当時「ボーイ」と呼ばれて、日本軍の下働きをしていたらしい。「50年ぶりに、日本人が来た。」と嬉しそうに目を細める。それから、住民一同との記念写真(住民は裸足であることに注目)。
記念写真

今回、お目当ての「褐炭は」、ジャングルまでとはいわないが、背の高い樹木が繁茂する中を蛇行する沢で、見ることができる。案内する現地人の人夫が、青竜刀のような刃物で、地層を切って見せてくれるが、調査した結果、採算が取れる程の十分な埋蔵量が確認できなかったので、日本に戻り、その報告をした。

ジャングルの中での地質調査

ジャングルの中での地質調査

余談になるが、現地でアテンドしてくれた、商社のマニラ支店のマネージャーのご自宅に帰国直前食事に招待された。高級住宅地にあり、エリアは高い塀に囲まれ、出入り口は開閉式のゲートで、24時間、ガードマンが警戒している。「治安が悪い為、こういう場所にしか、家族帯同では住めないのですよ。」と説明してくれた。その後しばらくして、日本の週刊誌に、フィリピンの高額所得者の番付が載っていた。フィリッピンの有名な「サン・ミゲール」ビールのオーナーの下には、この(商社の課長職)の方の実名が、他の日本商社の氏名と共に掲載されていた。

 

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